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ティト

なみのうた


今は

草が揺れる乾いた道も

あの日

何も変わらない日が

最後に

なった日

どこまでも 

追いかけてくる波は

無邪気ないのちを包み

連れて行った

今残る 

わたしの悲しみは

波のように 

止むことがない

どうして と

言わないと決めても

どうしては 

涌き上がる

いつか思わなくなる日が

来るだろうか

どうして と

今は 

波に向かい 

語る

波が連れて行ったものに向かい 

語る

いつまでもかたるだろう

いつまでもかかるだろう

連れて行かれたいのちに

もっと伝えたかったこと

もっとして欲しかったこと

もっとしてあげたかったこと

それが多すぎて

波が止むことが 

ないように

悲しみは打ち寄せる

消えることのない悲しみを

恨むことなく

いのちを尽くそうと思う

この悲しみが 

花となって

あの人に捧げられるように

この悲しみの花が

咲いて散るまで

このいのちを 

尽くそうと思う

今は波に向かい 

語る

波が連れて行ったものに向かい 

語る

いつまでもかたるだろう

いつまでもかかるだろう

今は波に向かい 

語る

いつまでもかかるだろう

いつまでもかたるだろう

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